第7回実技山行(3日目〜真教寺尾根〜)

〜地図読み・難場通過実技講習・小屋泊〜

日 時:2008年10月 12日(日)

◆3日目、赤岳から真教寺尾根を下山(晴)
  コース:赤岳頂上小屋・赤岳・・・真教寺尾根・・・牛首山・・・賽の河原・・大泉清里スキー場P
        ⇒(入浴)⇒佐久IC⇒太田足利IC⇒岩船⇒石橋

   
<3日目>
  10月13日朝7時前に赤岳頂上小屋を出発、真教寺尾根から下山する。

以下、ハイキング楽校生の感想文を読んでください

 <第7回 実技山行(3日目〜真教寺尾根)記録・感想文>   宇都宮ハイキングクラブ 安斎博子

*写真をクリックすると大きくなります。
 午前4時過ぎ、超満員の小屋で暑苦しい一夜を過ごした私たちは寝不足と頭痛、軽い疲労を抱えて起床。 中には風邪気味のメンバーも居たが、その後、食欲も少しずつ戻り回復に向かってきた様子に安心する。
ひとまず新鮮な空気を吸いに小屋を出ると、まだ真っ暗な眼下に灯る街の明かりと、ヘッドランプを点した登山者が 天望荘方面から登ってくるのが見えた。
 吐く息は白く、秋涼の風に吹かれ、友の煎れてくれた暖かいコーヒーで喉を潤す。赤岳山頂の祠に向かい 「今日も全員が元気で無事に下山できますようにお守りください」と両手を合わせた。・・・徐々に東の空が朱色に輝きだし、 とうとう5時40分に待望の御来光を望む。廻りの観客たちが一斉に歓声を上げ今日の好天を確認しあった。

 朝食と身支度を済ませ、小屋前に集合。全員の顔が朝日に照らされて美しい。 偶然に『影赤岳』も見ることが出来た(感無量!)。朝のストレッチングを入念に行い。 昨日に続き素晴らしい秋晴れのもといよいよ下山開始となる。見渡せば夏に登った御嶽山、その隣には乗鞍〜キレット、 槍、常念・・・鹿島槍、後立山、そして南アルプスと360度の展望。これ以上は無いという絶好のコンディションで 登山が出来るのは数少ない。早々に心が躍る。
赤岳山頂から眺め 夜明けの富士山
赤岳頂上小屋前にて記念撮影
  名残惜しい気持ちを堪え、これからいきなりの難場が待っているという大貫CLの説明に緊張感で胸が震える。  班編成を変更し、八木沢SLも前方の班に入ってしまったので、私が最後尾になってしまった。 大丈夫かなと不安が募るが、頼むよ!との皆の掛け声に意を決しシンガリを勤める覚悟を決めた。
 山頂直下の岩場をトラバースしたり、急なガレ場をゆっくりと慎重に下る。油断すると足を滑らせて滑落する 危険があることや、浮石を引掛けて落石の原因になるなどの注意を受け、一歩ずつ確実に足を運ぶ。 全員の緊張感がヒシヒシと伝わってくる。
 大貫CLが慎重に鎖や岩場を確かめて、私たちに的確な指示をくださる。その指示を受け、誰もが、先生の動きをじっと みつめ、見様見真似してゆっくりと足場を確かめながら降下していく。先に降りた者は後続者が無事に 降下するのを確認し、間が離れないようにして進む。時折休憩を入れながら鎖と岩場の連続を約2時間(標高にして約600m弱) も続けたが、全員が怪我も無く無事に通過。
山頂直下の岩場を下る 山頂直下の岩場をトラバース
山頂直下の岩場を行く 編笠山と真教寺尾根の分岐
真教寺尾根の難場を下る
鎖場を慎重に下る

いやー!かなり下ったな
足の置く位置を慎重に
三点確保で、下を見てね〜

けっこう怖い難場でした
 
  乾いた汗をぬぐい一息入れて進むと紅葉の始まった樹林帯の尾根歩きとなり、 開けた尾根で振り返ると、ついさっき下山してきた削られた岩肌が見え、赤岳山頂と頂上小屋も遠くに見えた。
 赤岳の険しい山容を仰いで、誰とも無く、すごいところを降りてきたんだね〜と云い合い、原生林の中でマイナスイオンを 一杯吸収したせいなのか、今までの緊張感から解放され、やればできるもんだな〜と余裕のコメント(笑)。 

 涼しい扇山で休憩を取り、牛首山で赤岳をバックに最後の記念撮影を済ませた。  気が抜けるとなんでもない所で転んだり滑ったりするもので、ゆるい尾根歩きでもしっかり注意して歩くよう、 指導を受けたり写真を撮ったりしながら南八ヶ岳縦走最後の快適な稜線歩き堪能した。
 賽の河原ではマツムシソウが満開で目を楽しませてくれ、スキー場の展望台に立つとアルプスの山々の展望にまたまた感動・・♪  我々は、スキー場をショートカットし駐車場へ・・・。先生やメンバーと完登成功の握手。「ありがとうございます!」 「お疲れ様!」「良かったね!」そして入念にストレッチングをして、帰路につく。

 途中、先輩が交渉してくださった温泉ホテルにて、貸切状態のお風呂に入浴、2日間の汗を流して、美男美女(?)に戻った。 また、ドライブインで遅い昼食を摂った。「ラーメン食べた〜い」「俺は蕎麦!」「私は天ざるがいいな〜」「俺はビール!」 「おいしい牛乳が飲みたい」と、それぞれが下山途中で交わした会話であるが、食事も節制される登山では下山すると どんなものでも「御馳走」なのであーる(笑)。
 帰路のバス内では其々にこの3日間の縦走と小屋泊体験の思いでの余韻に浸りながら、車窓から見える十三夜の丸い月を 眺めながら帰宅の途についた。

樹林帯の尾根歩き 振返ると、赤岳山頂が見えた
牛首山にて記念撮影
樹林帯を行く 快適な稜線歩き
 今回の実技山行は、開校以来初めての小屋2泊という山行だったとのこと。小屋によっての違いが体験できたことや 今まで学習してきた前期の総合的な体験ができて、内容の充実した素晴らしい山行だったと思う。  また、全員が完登できたことは、それぞれが今後の山行に、今までより少しだけ自信を持つことが出来たように思う。

 登山技術以外の面でも多くの事に気づかせられた。一人では出来ない事もチームなら可能なこと、CL、SLの 立場としての行動、そのメンバーとして出来ることなど、折に触れ気づき、反省し、盛りだくさんの「いろは」を覚えた。  「実りの秋に実りある課外授業」を体験できて本当に良かった・・・。
そして同行したメンバーの全員にも感謝して、これからもみんなとのチームワークをより良い方向へ進むことを切望し、 また習ったことをひとつでも多く身に着けて、後期へ繋げていきたいと思う。  大貫CL、八木沢SL、吉岡ASありがとうございました♪
                          (記録:安齋 博子)
     

TOP   戻る

1