刈込湖は栃木県の奥日光最北の湖で湖面の標高は約1610mである。東側の切込湖とつながり、刈込湖の方が大きく二つの湖を
合わせると瓢箪形をしている。コメツガ、ダケカンバなどの原生林に囲まれ、三岳(標高1945m)の噴火により沢がせき止められて
できた湖である。夏は人気のハイキングコースの一つであり、山王峠を経て光徳牧場に至る。
今回の参加者は講師3名と生徒20名の計23名の参加となった。
日光湯元へ向けてバスは定刻通り出発し、日光いろは坂にさしかかった頃には空がしらじらと明るくなってきた。
そして、バスが明智平を通過するとき車内に眩しいほどの光が入り歓声が上がった。いま正に地平線から真っ赤な太陽が
顔を出そうとしていたのだ。今日は何の不安もない素晴らしい日になることを予告しているように思われた。
戦場ヶ原の三本松でスノーシューをレンタルし、兎島の登山口に着いた。バスから降りる。外気はさほど寒くはなかった。
ザック、スノーシュー等をバスから降ろし、お決まりの準備体操を入念に行う。1、2、3、4と号令に合わせ捻挫など、けがをしない
ようにと祈りながら行った。
午前8時、地図とコンパスで目的地を確認してから各人スノーシューを履き、4班に分かれて出発だ。今日は登山口から先は踏み跡がない。
さあスノーシューで初めてのラッセル開始だ。先頭の人から順番に200歩ラッセルしたら次の人に交代だ。私は、18番目位にいたの
で前の人が踏み固めた雪の上を歩いていたのでとても楽である。汗ばむ頃には先頭に近くなり、それと同時に足元の雪がフワフワで
徐々にスノーシューに負荷がかかるようになってきた。いよいよ先頭になり雪を蹴散らしての歩行となる。少し雪の中に潜る。
これがラッセルかと思ったら小説 新田次郎の孤高の人の一場面が思い出された。ラッセルしているグループの後を加藤文太郎が
ついて行ったため、ラッセル泥棒と呼ばれたことを。一人でこのラッセルを何時間も行ったら体力を消耗し、いい加減嫌になるかもし
れない。後ろからついてくる人にラッセル泥棒と言いたくなる気持ちもわかる。このこと一つとっても、雪の恐ろしさが感じられる。
冬山は慎重の上にも慎重に行動しようと思う。
午前10時、小峠に着いた。ここまでは夏道を登ってきたが、この先夏道を行くと雪崩の危険があるため、左側のドビン沢方面に進む。
水分と行動食を補給し呼吸を整えて出発だ。ところどころでスノーシューが潜る。平坦な場所に出る、大木のところで地図とコンパスで
目的地を確認する。平坦な場所は道迷いになりやすい。ポイント04が確認できたので前に進む。段々狭く下りの急斜面になり、
慎重に降りる。
午前11時、刈込湖に着いた。強い東風が吹いているのでグループ写真を撮って折り返し戻る。風が弱い場所で昼食をとる。
その後、小峠まで戻りタテノウミ方面に斜面を下る。タテノウミを左回りに迂回して、金精道路へ出る。
午後2時、湯元着。日帰り温泉入浴後午後2時50分帰路に着く。雪が予報の通り降り出した。午後4時5分着解散。
みなさん、お世話になりました。
記:宇都宮ハイキングクラブ 西田 好正
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金精道路入口より夏道を通ってスノーシュハイク開始
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登山口から約1時間経過
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天気、樹氷も雪質も良好
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ダイヤモンドダストかな?
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樹氷のアーチ
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樹氷の中で
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樹氷の中で
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ドビン沢出会い付近で
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刈込湖湖畔にて A班
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刈込湖湖畔にて B班
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