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<2日目:天候 :晴天> 2日目は、五竜山荘〜五竜岳〜キレット小屋〜八峰キレット〜鹿島ヶ槍という縦走の核心部です。 以下、楽校生の感想文を読んでください。
【前期総合実技山行山行(五竜岳〜鹿島槍岳)感想文】 マロニエハイキングクラブ 中田芳夫
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今日は、今回山行の核心部である五竜岳からキレット小屋、鹿島槍ケ岳(北峰・南峰)を経て冷池山荘までのハードな
コースである。
4時に全員起床し、五竜山荘玄関前広場でストレッチ後、4時40分に出発した。 昨日までの雨が嘘のような満天の星空の下を、全員がヘルメットとカッパ上衣を着用しヘッドランプの灯りを頼りに 漆黒の尾根道に歩を進めた。 暫くして後を振り向くと、昨夜お世話になつた[五竜山荘]の灯りが眼下に見え、 更に尾根伝いを上方に目をやると[唐松岳頂上山荘]の灯りも見ることが出来た。 その後、左手の空が薄茜色に染まり始めるとかなり視界も開け、気がつくと眼下には綿を敷き詰めたような雲海が 遠くまで静かに広がっていた。 右手には間近に立山連峰が鴛え立ち、憧れの剣岳が険しい山容を見せていた。 やがて雲海上に太陽が顔を出し始めその美しさに息をのむ思いであった。山をやり始めて一年未満の自分 が今ここにいることが信じられない思いであり、この美しい景観は辛く苦しい山行に対する自然のご褒美なのかも しれない。 登山道は尾根道、巻き道を繰り返しながら徐々に斜度はきつくなり、喘ぎながら登るとようやく五竜岳山頂 に着いた。 山頂からの眺望は360度全てが見渡せ、南東方向には富士山の雄姿が遠く望まれ、その左には八ヶ岳が右に は南アルプス連峰が影絵のように黒く雲上に浮かんでいた。山頂にて素晴しい展望を楽しんだ後、山荘で作ってもらった朝食(弁当)を 摂った。 いよいよ五竜岳山頂からキレット小屋へ向けて急なガレ場を下る。ここからのG4、G5の岩峰帯とキレット小屋先の八ツ峰キレット の通過が核心部であり、一番(転・滑落)の危険箇所でもある。 ここで、昨夜、山荘でのミーティングにて八木沢CLの「明日も雨ならば五竜山頂まで行つて戻りましょう」との言葉を思 い出した。今回のコースの中で一番魅力のある場所であり、また一番危険な難場通過だからだろうか? 八木沢CLの顔つきが少し厳しくなつたように思え、緊張する。 八木沢CLを先頭に概ね初心者から経験者の順に最後部は吉岡SLが岩場を降りて行く。このとき 八木沢CLの立ち位置も参考になつた。先頭から3人目が安全に降りたのを確認し次の箇所に移動し、4人日以 降は吉岡SLが確認するといつた状況である。 岩場は、手懸り・足懸りはじつかりしており降りやすい岩場であつたが、下を見ると恐怖感があり慎重に降りた。ま た常に落石の危険性があり緊張の連続であつた。その為か実際の時間よりも長く感じられた。 それに辛い思いをしてせつかく登ったのにキレット小屋に向つてかなり降りるということで、その分また登り返す 辛さを考えるとうんざりする思いであつた。 キレット小屋で一息つき、いよいよ最大の難場である八峰キレットにさしかかった。ここも周辺景観の視覚から受ける 恐怖感はあるが、慎重に降下すればそれほど難しい場所ではなかつたと思う。 喘ぎながら鹿島槍ヶ岳の鞍部まで登り着き、ここにザックを置き北峰にビストンアタック後いよいよ南峰の 上りにかかった。そしてついに南峰山頂に立ったとき八木沢CLが全員にハイタッチをしてくれ、その表情は いつもの柔和な顔に戻ったようでした。難場をトラブルもなく、無事通過し終えた安堵感なのでしょうか? 辛く長い1日を振り返り、1年未満の山行経験者の自分が(五竜岳と鹿島槍ヶ岳)を走破できたことに感激を覚えるとともに、自信 にもなつた。山頂からは今晩泊まる(冷池山荘)が眼下に見え少し緊張感がゆるんだ。 しかし、ここから布引岳を経て冷池山荘までの道のりはとても長く、行けども、行けどもなかなか山荘には辿り着か ないもどかしさを感じられた。 五竜山荘を出発してから12時間後の午後4時半に、ようやく冷池山荘に到着したときは全員の顔にも安堵の色が見られ、 自然に笑顔になつていた。そしてメンバー間の絆も強く感じられるようになった。 私にとっては厳しかった一日であつたが、それだけに感動と自信と多くのことを学ばせてもらい、八木沢CLや吉岡SL には感謝申し上げたい。 ここで私の経験した失敗談と教訓をいくつかあげてみたい。 1つ目は、八木沢CLの通つた跡を3人目迄は忠実に辿ったが、 4番目の私は別ルートの方が楽なルートと判断しそのルートを降りている途中に落石を起こしかけた。 幸い落石は防止出来たがやはり勝手にコースを変更しない方が良いことを学んだ。 2つ目は、ガレ場を降りている時に八木沢CLから「登つてくる人がいるので登り終わるまでここで待ちましょう。」との 指示があつた。下を見ると20m程下を登つてくる登山者が見えた。八木沢CLに「距離があるのに待つんですか?」と質 問すると、「落石の危険性がある場所では待つべきでしょうね」との答えがあつた。 3つ目は、長時間の岩場通過に慣れたためか、八峰キレットを通過中につい雑談をしてしまい、八木沢CLから 「おしゃべりはやめて岩場に専念しましょう」と注意を受けてしまいました。 今回の総合実技山行で学んだことを要約すると、「目配り、気配り、耳配り」そして「危険と判断したら無理をせず 引き返すこと」 なのかなと思います。 八木沢CLが、先頭を歩きながら後を歩いているメンバーが今、どのような状況にあるのか常に把握しているのにはさ すがだなと感服しました。本当に勉強になつた前期総合山行でした。ありがとうございました。 |
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今日は、爺ケ岳に登って、種池山荘経由で扇沢に下ります。
5時出発ということで、準備し、ストレッチ体操完了で早めに出発できました。
個々にヘットランプを付け、足元を照らしながら爺ケ岳に進みました。
空を見上げればたくさんの星、前方にはオレンジ色の輝く朝の光が雲海の中から糸
を引くように見えています。山小屋を出るとすぐ登りです、
昨日とは違い歩きやすい登山道です。 オレンジ色の朝日を受け、いっぽ、一歩
登りました。
爺ケ岳を登れば、後は下りの連続になります。
右手には剣岳 立山連邦 がすぐ近くにあり、左手には雲海が一面に広がり遠くに
南アルプス そして あの形 富士山です。なぜか山に登り富士山が見えると
すごく嬉しい私です。私達の、足元先には雷鳥も散歩していました。
爺ケ岳の頂上に立つと、360度の展望です。スバラシイの一言、
上手く表現できませんが、いつまでもここに居たい思いに、かられます。
二日間、大変な思いをして登ったご褒美か、この絶景が疲れを忘れさせてくれます。
昨日 今日と天候に恵まれ 雲の上を、歩いた私達です。
頂上で朝食を済ませ、種池山荘を目指します。
五竜、鹿島槍、爺ケ岳の山々の思いを胸に、一歩、一歩 慎重に柏原新道を
下りました。 素敵な山仲間に恵まれ、忘れられない山行になりました。
皆様に 自然に感謝したいと思いました。ありがとうございました。
中沼義江
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