第13回実技山行〜那須岳〜

〜雪山総合実技訓練〜

日 時:2008年4月 6日(日):参加者23名(講師含む)
天 気:晴天
コース:宇都宮IC⇒那須IC⇒大丸温泉P・・・スキー場上部付近茶臼岳東南斜面・・・
     大丸温泉P⇒(入浴)⇒那須IC⇒宇都宮IC⇒往路帰宅
  第5期ハイキング楽校もいよいよ最後の実技講習です。今回は5月連休の立山有志山行 を想定した総合実技訓練で、主なメニューは下記の3項目です。
(1)雪上歩行技術(ダイヤモンド歩行)
(2)耐風姿勢、滑落停止、メンバー滑落フォロー法
(3)固定ロープ−による灘場通過、メンバーの確保法


  
   予約していたバスにトラブルがあり、野木、石橋、大谷から各々車に分乗して、那須大丸駐車場に集合した。
 大貫CLから実技講習の手順や場所についての説明があり、当初予定していた郭公沢から雪の状態や天候を考慮して、フャミリー スキー場の上部付近の東南斜面に変更するとのことであった。共同装備を分担して、那須大丸駐車場に近くよく見えるスキー場の上を 目指してスタートした。

那須大丸駐車場にて集合   スキー場の上部の斜面を目指して

*写真をクリックすると大きくなります。
 <雪上歩行、耐風姿勢訓練>
 大貫CLと八木沢SLから、それぞれの姿勢でのピッケルの持ち方、方向を変える時の安全な手順など についての指導の後、5月の立山を想定して、各班ごとに急傾斜での登降訓練、ダイヤモンド歩行訓練および 耐風姿勢訓練を入念に行った。

 <滑落停止、メンバーフォロー法>
 滑落停止訓練では、滑落した瞬間にピッケルを雪面に刺す操作が可能なように、危険な場面に遭遇 した場合には、常にバランスを崩したらどうするかを想定してピッケルの持ち方や歩き方の訓練を行った。 そして、実際に滑落して止める訓練では、雪や氷を刺すピックに重心をかけ、シャフトの先を腰から離さない 用にピッケル操作をする訓練を入念に行った。
また、メンバーが滑落しそうになった場合、どのような位置取りならメンバーの滑落をフォローできるのか についての指導を受けるなど・・。あっという間にお昼に・・・。

 

大貫CLの指導
(雪上歩行法)


ダイヤモンド歩行訓練
 

ダイヤモンド歩行訓練
 

耐風姿勢訓練

滑落停止訓練

滑落停止訓練

滑落停止訓練
 

大貫CLの指導
(メンバーフォロー法)


メンバーフォロー訓練
 

   <固定ロープによる灘場通過訓練>
 お昼休憩の後、アイゼンを装着して、より急傾斜の斜面に移動して訓練を再開した。
 急斜面の上と下に固定ロープを張り、マッシャーを使って登降する訓練を行った。班毎に分かれて まず、雪面に刺したピッケルを支点にして、一人がスタンディングアックスビレイでトップを確保して トップがロープとスノーバーを持って急斜面を登り、上部に固定して、他のメンバーがマシャーを 使って登降する訓練を交替しながら行った。
 
より急傾斜の斜面に移動
八木沢SLの指導
(トップ確保法)

固定ロープによる
灘場通過訓練
マッシャーによる
登降訓練

マッシャーによる
登降訓練
  <メンバーの確保法訓練>

 次に、トップ(セカンド)を確保する方法(スタンディングアックス、ブーツアックス、ヒップアップアックス) の訓練を行った。実際には現場の状況の応じて、どの方法かを選択することになる。  実際にメンバーの落ちるスピードがでるとその衝撃で、支点のピッケルが抜けそうになり、あわててピッケルの 周りの雪面を踏み固め、深く突き刺して支点を作り直すなど雪の状態に応じた適切な対応が不可欠であることが 実感できた。
 

大貫CLの指導

確保法訓練開始

1班の皆さん

2班の皆さん

3班の皆さん

4班の皆さん


 第5期ハイキング楽校最後の実技山行は、天候に恵まれ雪のコンディションも程ほどで、充分な講習時間を取れたこともあり、 主なメニューを実施でき、充実した実技山行となりました。
 最後に、大丸温泉駐車場にて、楽校生を代表して挨拶をしてくれた佐々田さんが感想文を書いて下さいましたので、 感想文を読んでください。


 <第13回実技山行感想文>
「那須実技山行を終えて(2008年4月6日)〜超初心者より」      マロニエHC  佐々田 トシノ

     
  朝の出発時、何の行き違いか、バスが約束の時間に迎えに来てくれず、 急遽(野木・石橋・大谷)の各地からマイカーに分乗して大丸温泉駐車場で集合との変更伝令が入る。
 でも、回りの仲間達の動向は、さすが自然相手のベテラン揃い!! テキパキと配車を決め、人員を振り分けていて、すぐさま出発となる。なんと沈着に応じられるものだなぁと感心する。

 ただ、現地に着くときれいな雪や好天気に恵まれての訓練は、ややもすると気持ちの隙間に、少し弾んだ楽しいような気が起きてくる。 それに、山について技術的な能力が無知な分だけ、斜に構えた目で見渡していると、 シャベルを担いで黙々とトイレの設営をしている男性陣や、共同装備の重たいであろうロープの荷下ろしたり、スリングにロープや カラビナを装着している姿などに、いたく男らしさを感じたりしていた。

 でも、実際にダイヤモンド雪山歩行訓練に入ると、思い通りにならない身体の動き、片足がズズズッと滑り、気を取り直して、 山足・谷足・ピッケル操作を続ける。次の訓練に入っても、ピックの向きは・・、マッシャーロープを握っちゃったら・・、 滑落を停止できなかったらなどなど不安がいっぱいの精神状態であった。

            ・・・(訓練詳細は略?!) ・・・

 第5期ハイキング楽校最後の実技を終え、雪の那須岳から(尻制動など楽しみながら)大丸温泉駐車場まで降りてきた。 訓練とはいえ、まずは全員が無事に終了できた事にホッとして、気持ちが緩む。 そして、この最終実技が終ったという事は、怖くて不安な思いのする山行も終った事なのだと思うと、初心者の私は、 人知れず安堵と大きな開放感をも同時に味わっていた。

 そして、ここからは老いの独り言を・・・。

 岩や雪が中心のハイキング楽校の後期メニューは、私にはレベルが高すぎたとつくづく思っている。
というのも、ピクニック程度の経験しかないのに、「訓練をすれば2〜3年は、山寿命が延びるよ」との言葉の甘さに 「そうなのかぁ!」と目からうろこが落ちた気になって、6?歳の遅すぎた山デビューだった。その自分の軽挙判断を 本当に猛反省している。
 但し、反省はしても、後悔をした訳では全く無いのですよ! 何故か、辞めようとは思った事は一度も無かったの!  それは、先生と仲間達とに大きな確かな手応えを感じていたからです!!
 基本的には自己自立の姿勢でも、自分も仲間をも同じ様に身を守る、助け合うという指導を随所で目の辺りにして 、とても感動していた。 長くいた(遊びとはいえ) 皆がライバルというダンスの世界では、ついぞ感じられない手応えだった。
   何人も、私の様子に気づいてくれて「楽しいでしょ」 「良く頑張ってるね」 「大丈夫だよ」 「不安は皆な同じさ」 等と声を掛けてくれたり、アドバイスをくれたり、気持ち良く用具を貸してくれたり・・・etc
 そんな事に、山の技術以上に(?!)人間的に魅せられて、居心地が良かった。触れていたかった。  この那須山行が最後だなんて、淋しくも思っているけど、もうやらなくても良いんだと、ある種ホッともしている。 私なりに力一杯、岩や雪の山と過ごしてきた歴史には、そっと別れを告げるけど、これからの老後という未知の世界に向かって、 老いを嘆かず、新しい道を、あちこち覗き見しながら、歩いていくつもりでいます。
 色々とお世話になりました。 本当に有難うございました。ここには、とても表しきれない程の感動と感謝の気持ちを持ったまま。
               了           ・・・ささだ・・・記 
 

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