第12回実技山行〜安達太良山〜

〜雪上歩行法、滑落停止法〜

日 時:2008年03月 9日(日):参加者25名(講師含む)
天 気:晴天
コース:宇都宮IC⇒二本松IC⇒奥岳温泉⇒ゴンドラ・・・仙女平分岐付近の北斜面・・・スキー場・・
     奥岳温泉・・岳温泉(入浴)⇒二本松IC⇒宇都宮IC⇒往路帰宅
   
 今回の実技講習の主なメニューは下記の3項目です。
(1)雪上歩行技術(踏み付け・叩きつけ・蹴りこみ等の基本、急傾斜でのダイヤモンド歩行)
(2)雪崩事故防止技術(弱層テスト)
(3)滑落停止、急斜面でのメンバー滑落フォロー法(自己ビレイと確保法)

   天候に恵まれ、雪のコンディションも程ほどで、講習の主なメニューを実施でき、充実した 実技山行となりました。本当に素晴らしい天候で、山頂に立って360度の展望を観れなかったのが 心残りでした。  
以下、ハイキング楽校生の感想文を読んでください。

 <第12回安達太良山実技講習山行感想文>     宇都宮HC 小野田文明

*写真をクリックすると大きくなります。
 野木〜石橋と寄って、生徒を乗せたバスが大谷にやってきた。大谷6時半出発。参加者は大貫先生を入れて 25名。4班に分かれた。皆さん早朝から参加ご苦労様。天気は快晴。暖かく風もふんわりとして柔らかく 丸みを帯びています。雪山の訓練は初めてですが、皆さんの行いがよかったんでしょうねぇ。青〜い空と 真っ白な乳首山・・・ネーミングもいいが、コントラストも最高だ〜。
ゴンドラに乗って薬師岳山頂駅に着くと、雪の厚みが違っています。  どのくらい積もっているのか、夏道はどこか、まったく見当も付きませんが、結構しっかりとつぼ足で 歩けます。深く入っても5〜10cmです。仙女平分岐まで、楽々と登って行きました。そこから未踏の 北側の斜面に登っていよいよ講習開始です。
  雪は深いがつぼ足でOK
素晴らしい展望の中を行く
  稜線が見えてきた!!
講習場所に到着、早速準備

 勾配は35度前後、斜面に平行の歩き方、斜め上方又は下方への歩き方、直登したり下ったりの キックステップも、バランスよく安定してできるようになりました。今日の雪質は、かなり締まって いるものの、手に握るとさらっと崩れる感じです。  滑落停止法は、何も持たない状態の、体だけの抱え込みや、ニー&フット、ハンド&フットなど、 急場に合わせた方法がありましたが、いかに早くその姿勢が取れるかが、最重要課題でした。


 ピッケルを使っての停止法は、斜度50度前後のかなりの急斜面の所で行いました。仰向けで滑落したときに、 「素早くうつぶせになりながら、ピッケルを斜面に打ち込み、両足は斜面から上げて、なお、ピッケルの ブレードが胸の下にあり、片方の手はシャフトを持って腰の位置にあって、両肘が体につく状態にする」など、 文章にすると長くなりますが、瞬時の一連の動作が要求されました。皆さん真剣に受講して、たちまち マスターして止まれるようになりました。ほんとだよ〜。
「いつでもピックは山側に」、が、ピッケルを持ち歩く「基本」だそうですが、2〜3歩いて、 方向転換すると、もう忘れてしまうのが・・・私だけだったようです。 対風姿勢も、登りは簡単にできますが、下っているときには、体を反転しなければなりませんから、 これもまた素早い動作が要求されます。両足と、ピッケルが三角になるようにするのがポイントでした。 滑落は、命にかかわることだけに、教える先生も、皆さんも真剣でした。
 昼食後は、雪崩発生を知るための、雪の弱層テストを行いました。見た目で弱層がわかる場合もありますが、 指で触ってのハンドテストも、行いました。シャベルテストも行いましたが、雪の層は思った以上にしっかり としていて、両手で抱えて手前に引っ張るテストでは、うんこらしょっと、力を入れても取れません。 今日の雪の状態は最高に安定していました。
 
歩行法とピッケルの使い方
についての大貫CLの指導
雪上登降訓練@
(蹴りこみ、キックステップ)
雪上登降訓練A
(下りのキックステップ)
耐風姿勢訓練
 
滑落停止訓練@
(ニーアンドフット)
ピッケルによる滑落停止
(大貫CLの指導)
滑落停止訓練A
 
滑落停止訓練B
 

スコップで雪を掘り下げて、
円柱を作る
 
大貫CLによる弱層テストの指導
 
 
強く引くと剥がれました!
 
 
手首だけで引いて剥がれた
場合雪崩の危険高い
 

 本日最後の講習は、ロープを使っての、滑落確保法でしたが、雪の中にさしたピッケルでの自己ビレイは、 簡単に抜けてしまいそうでしたが、意外にしっかりとしていました。ボラード法は、スコップで雪を取り 除きましたが、足で踏んで雪の塊を作っても良いそうで、お尻が冷たかったが、これはバッチリと確保が できました。又、ひとつの方法として、ブーツアクスビレイは、片手で簡単にしっかり確保できるのには 驚きました。
ピッケルごと足を持っていかれるかと心配でしたが、靴の中心より少し後ろ側にピッケル があるのがポイントで、相手を見ながら、余裕で確保でき大変良い方法でした。  滑落は、いつでも、どこでも起こることですから、滑落停止法は、機会あるごとに反復練習の必要があると 感じました。特に雪の表面が凍ったときに発生しやすいですから、そのころにもう一度体験したいと思いました。


<各班のブーツアックスビレイ訓練の様子>
 
ポラードでの確保訓練
ブーツアックスビレイ
(ピッケルとブーツの位置)
 
滑落するメンバー
ブーツアックスビレイ
の訓練
   
1班の皆さん
  2班の皆さん
  3班の皆さん
  4班の皆さん
 
 朝早くから15時頃までの長い時間、大貫CL、各班長さん、大変ご苦労様でした。 命にかかわる有意義な講習、お世話になりました。
 しっかり頑張った帰りのバスの中で、「私が楽校の生徒の最年長でしょう。今日は疲れました」と 隣席の手塚さんに話しましたら、なんとなんと私より3年先輩でした。 手塚さんの溌剌とした若さに乾杯!!。
 

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