第11回実技山行〜雲竜渓谷〜

〜氷上歩行、ピッケル活用法〜

日 時:◆2008年2月 5日(火):参加者14名(講師含む)
    ◆2008年2月11日(月):参加者15名( 〃 )
天 気:晴時々曇
コース:東武日光駅集合==雲竜渓谷登山口・・・雲竜渓谷(氷上アイゼン歩行等)・・・登山口

 当初予定していた2月11日(月)の混雑が予想されたので、2月5日(火)、2月11日(月) の2日に分けて、第11回実技山行〜雲竜渓谷〜が行われた。  今回の実技講習の主なメニューは下記の2項目です。
(1)氷上アイゼン歩行、渡渉、ピッケル活用訓練
(2)フロントポイント活用、シングルアックス登降訓練

  最初に、2月5日(火)班の紹介をします。2月11日(月)班の様子は感想文を読んでください。。
  雲竜瀑直下へは、やや垂直に近いほどの凍った滝を2箇所通過しなければならない。
本来はここで氷壁登降訓練の予定であったが、今年の雲竜渓谷は、氷の状態が悪く(水凍りの状態で本来の硬いブルーアイスに なっていない。)、万全でない為、通過することが出来なかった。
ただ、2月5日組の皆さんは、巻き道を通って 雲竜瀑へ行こうと難場通過訓練を兼ねてトライしたが途中で断念!!(写真撮影のみ)

 そんな訳で、残念ながら雲竜瀑へは行くことが出来なかった。しかし、話には聞いていましたが、 こんな素晴しい氷の世界がありました。

手前の凍った滝にて(上部が雲竜瀑)  巻き道からの雲竜瀑

*写真をクリックすると大きくなります。
 <氷上アイゼン歩行、渡渉訓練>
 
 アイゼンを着けて渓谷を歩くと雪の下の岩にアイゼンの爪が引っかかりバランスを崩したり、 表面が氷化している傾斜をトラバースする時の氷上アイゼン歩行。また、時には氷りが割れて 沢に落ちたりするので油断できない。
 氷の状態を確かめながらの渡渉、ピッケルやダブルストック を活用した渡渉時のバランス確保などなど・・・。
 雲竜渓谷へ行くことそれ自体が、氷上アイゼン歩行、渡渉、ピッケル活用の訓練でした。
 

3段とび渡渉です

友知らずを行く

氷の斜面をトラバース

友知らずを行く

雲竜渓谷を行く

もうすぐ雲竜瀑取付きだ
 <雪山難場通過訓練>

 氷壁登降訓練をする予定の滝の取付き部に来て見ると、氷の状態が悪く、万全でないとの大貫CLの判断 (水凍りの状態で本来の硬いブルーアイスになっていない。)で、氷壁登降訓練を別の場所に変更して、 難場通過訓練を兼ねて、滝を登らずに雲竜瀑へ行ける巻き道を行くことになった。
 立木に支点を取り、補助ロープで確保しながら急斜面を登り、巻き道をトラバースし、雲竜瀑をも見通せる 場所に到達した。
 大貫CLから、その先のルートと時間的余裕を勘案し、引き返すとの指示が出された。 引き返す時、急傾斜の表面が凍っている雪面を懸垂降下で下りる訓練を実施。
 

補助ロープで確保する
準備 

巻き道をトラバース
 

雲竜瀑が見える!残念ながら引き返す
 <氷壁の登降訓練>

まず、大貫CLから氷壁の登降に関する下記内容の指導があった。
@アイゼンのフロントポイント(前爪)の蹴り込み位置や角度など
Aシングルアックス(ピッケル):ピック打ち込み方や確保の方法
Bダブルアックス(アイスクライミング用)の使用法など

その後、4グループに分かれて、訓練を開始、10本爪以上のアイゼンとピッケルでの氷壁の登降訓練を行う。

訓練に入ると皆さん夢中になり、時間オーバー。
 お陰で登山口駐車場に着く頃は真っ暗でした。 でも、素晴しい氷の世界を体験でき大満足の一日でした。
 

大貫CLの指導

登降訓練開始

打ち込みが弱い!

アイゼン(踵)上げ過ぎ!

氷壁の登降訓練

楽しくなってきた!

2/5(火)班の皆さん


<◆2008年2月 11日(月)雲竜渓谷実技山行の様子>
渡渉です 大貫CLの指導
 
氷壁登降訓練@
 
氷壁登降訓練A
 
氷壁登降訓練B
 
 
友知らずを行く 友知らずを行く 友知らずを渡渉 氷の斜面をトラバース  
2/11(月)班の皆さん
 
以下、ハイキング楽校生の感想文を読んでください。


 <第11回実技山行記録、感想文>
「雲竜渓谷〜氷上歩行(2008年2月11日)〜に参加して」      野木山想会 Y・S

     
 今回は林道ゲート前の駐車場は6台位のスペースしかないのと休日は早くからこの駐車場が一杯になってしまう為、 2月5日(火)と11日(日)に分けて実施された。
 11日の参加者は16名で東武宇都宮駅前7時集合し林道ゲート前の駐車場に向かったが、心配した通りすでに 狭い駐車場は一杯で林道沿いに少し戻った所に駐車スペースを見つけやっと駐車できた。
 全員でストレッチ後、つづら折りの舗装された林道のだらだら歩きが結構長く続く。一昨日に降った雪と一部 アイスバーンになっている道は結構気を使うが、風も無く非常に暖かく汗ばんできた。前方に雪を被った女峰山や 赤薙山が青空にくっきりとそびえ立っている。やや平坦な広い場所で休憩後、ストックを長めにしいよいよ林道 コースに別れをつげ急な下りを慎重に渓谷に降りた。
 雪の間から川の流れが顔を覗かせていて川に落ちないよう緊張しながら歩を進める。大貫先生が慎重にルート を探りながらトップをひいてくれるので私達はそのあとを安心してついて行く。しばらく行くと左右にツララや 氷柱が見えて来て歓声をあげる。初めて見る私にとっては目の前のツララのカーテンに感激したが2年前はもっと 氷柱が長く、太かったそうで川も凍結していて対岸に渡りツララのカーテンの裏側を通り抜けたそうだ。
 途中でアイゼンとハーネスとヘルメットを装着し、急な下りを降り、川幅も広く水量もあるところを渡った場所 で昼食になってしまった。余談であるが川原で昼食を食べていると氷瀑見学ツアーらしき一団が軽装でやって来た。 良く見ると色々な国の外人さんの寄せ集めで、装備や服装もまちまちでこの様な辺鄙なところにはるばる氷瀑を 見学にくるツアーがあることに驚いた。
 昼食後、いよいよ今日の目的の「氷を楽しむ講習会」である。5メートルくらいの氷壁をピッケルとアイゼンを 使って登る訓練だ。座学でアイゼンのフロントポイントの活用法やピックの打ち込み方を教わったが、余りぴんと 来ていなかった。大貫CLと八木沢SLが楽しそうに軽々と氷壁を登るのをみて、最初はこわごわアイゼンを 蹴り込み、ピックを打ち込んでいたが、 “踵をあげないで”“平行に肩幅で”“脇をしめて手首の返しで”と 下からの激励に、徐々にコツをつかみ、夢中になっていた。気温が高かったせいで氷も緩んでいたせいで、 思ったより簡単に氷壁を登ることができとても楽しかった。
 講習会を切上げていよいよ雲龍渓流の氷瀑見学に出発。左側斜面を急登し、高台の広場に出るとうっすら ブルーの氷瀑が前方に見え「ワァー」という歓声。凍結した階段を降り、雪の川原を踏み跡に沿ってさらに 近づいていくと左側の壁一面を高さ10mほどの青白い巨大な氷柱とツララが覆っていて光を浴び輝いている。 垂直にのびた氷柱やツララをアイスクライミングの人達が2本のピッケルとアイゼンで登っているのを横目で みながら、先ほどまで講習でやっていたことはアイスクライミングの入り口に立っただけだとわかった。 時折、折れたツララが落ちてきて、下のビレイヤ―も油断できない。また、ほとんど真下に近い所から真上を 見ながらビレーしているのは首が疲れて大変だろうとなどと思いながら下の川に落ちないよう慎重に移動する。 「友知らず」を過ぎた所でタイムオーバー、今日は時間の関係でここまでで引き返す。
 雲龍瀑はこの先にあり100m位の3段の滝が全面氷結したその景観は圧巻らしい。絶対来年は雲龍瀑まで行くぞ!! 後ろ髪を引かれながら着た道を戻る。今回は氷の世界をちょっぴり覗いただけだったが岩といっしょで何か引かれる ものがあり充分満足した。
 

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