第3回実技〜セルフレスキュー講習会〜

〜いつでも自分と仲間を大切に、事故対応の基本的技術〜

日 時 :2007年06月 24日(日)9時〜16時
場 所 :宇都宮市冒険活動センター  多目的アリーナ

 冒頭の八木沢校長の挨拶の後、大貫主任講師から「セルフレスキューの必要性」と 講習の内容についての説明があった。

 セルフ(自己)・レスキュー(救う)とは?己を守り仲間を守り助けることであり、 登山・ハイキングが他のスポーツと決定的に違うのは、山という厳しい自然の中で行動するため、 ある程度は自分や仲間のケガや病気には自力で対処していかなければならないという点です。
そこで、もし事故が起きたら・・・を想定した事故対応の三つの基本的技術
   @発生確率の高い「足首やふくらはぎ、太もも、ひざの障害」への対応
   A事故者の搬出法
   B事故時の搬出・搬送に活用する基本的技術(ロープワーク)
を習得するとのこと。
 そして、「足首やふくらはぎ、太もも、ひざの障害」への対応策についての講義と実技が始まった。  

以下、ハイキング楽校生の感想文を読んでください。

   
 <第3回実技「セルフレスキュー講習会」感想文>    宇都宮ハイキングクラブ 猪鼻 良子

*写真をクリックすると大きくなります。
 セルフレスキューの実技と講習会が6月24日(日)宇都宮市篠井、冒険センターアリーナで行われた。
誰でも事故は起こしたくない、しかし万が一起こしたとき、 自分の安全と仲間を救うことが出来るために知っておく必要がある。
全事故者数の70%以上が転滑落で骨折・打撲が多く四肢受傷が圧倒的に多い。事故者の男女比は、 ほぼ同数だが、50〜64歳は女性の事故者が多いとの事、また 女性の事故では、おしゃべりで歩く事に 集中しないための事故が多い。山に持っていく救急用品については、大型ナプキン。ナイロンストッキング もいろいろ使え、小さくなるので持っていた方が良いとの事でした。



  テーピングの講義 テーピングの実技講習  

■予防テーピングの講義

 予防テーピングに使用する「キネシオテープ」を参加者に配布し、その効用と使い方について の説明があった。
別名「人工筋肉テープ」とも呼ばれ、キネシオテープを貼ると、体内に隙間ができてリンパ液や血液の 流れが良くなり、酸素も栄養も体の隅々に行き渡るようになり、貼るだけで筋肉の痛みや凝り、疲労の 回復も早くなるとのこと。

 まず最初に、山行中に起こりやすい「ふくらはぎ、ふともも、足首捻挫の障害」の対処の方法から 実技指導が始まった。
 大貫先生が自分の足にテーピング、マッサージをして見本を示し、そのあと参加者全員が 2人1組になり実際に、相手の足にテーピング、マッサージの実技を行う。
 「こむら返り」の予防のときのマッサージは指先に入れる微妙な力がむずかしい。 でも回数をこなす内に段々要領がわかってきた。 マッサージもテーピングも、下から上へ、内側から外側へとやることが大事ということ。 見るとやるとでは大違い、何事も経験です。

 続いて、足を骨折した時、応急処置として、ストック2本を使いギブスを作る実技指導があった。 今度も、2人1組になり実際にストック2本を上下をばらして、下の部分を足の両側に副木とし、 コットンテープで巻く、直接だと痛いので新聞誌を丸めたものとかタオルをはさみテーピングする。
  キネシオテープの貼り方 2人1組でテーピング実技   2人1組でテーピング実技 足首のスリング固定
 

足首捻挫のテーピング固定
 
骨折した時の応急処置@
 
骨折した時の応急処置A
 
骨折した時の応急処置B
 

午後の部はまず事故者の搬出法を学ぶ。最初に、ストックを使って松葉杖を作る。2本を下の部分だけテープ で固定する、上の部分は手を通す紐の長さだけ間隔を空けてお互いに通し、そこをテープで止める、 わきの下に当たる部分なのでタオルなどで巻き、そして手で支えるところは、やはりタオルなどを巻き テーピングテープでとめる。 これで立派な松葉杖が出来ました。最初に考案した人は素晴らしい。

シュリンゲを使い一人で背負い搬出する方法も実践してみる、といってもサポートがいないと立ち上がれない、 やはり皆さんの協力が必要と実感。 一人でできる搬出方法は、ザックと雨具を結びザックと雨具の間に人を入れて背負う事も出来る。 大きなザックを空にして3ヶを連結し、担架を作り6人で搬送する、これは実際に搬送される側に なってみたら、以外に安定して寝心地?は良かったです。
 

ストックを使った松葉杖

シュリンゲを使った搬出A
 

シュリンゲを使った搬出@

ザックと雨具を結ぶ@
   

ザックと雨具で挟み搬出A
 
ザック3個を連結し担架に@
 
担架に寝かせて6人で搬出A
 
6人で担架を運ぶB
 

最後に、滑落した時のロープワークの訓練を行う。
近くに支点となる木にロープを「ツーハーフ」で固定し、滑落した所まで「ムンター」で懸垂下降する。
更に「ガルーダ」での1/3引き上げ法など、ちょっと難しい名前の結び方を学び、何度も何度も練習する。

今日だけでは完全にマスターできない。少し間があくとすぐに忘れてしまう。 事故はあってはならない事だけど、事故に遭遇した時には役立つようにしておきたいので、 家に帰っても練習して、必ずマスターしたいと思っています。

八木沢校長、大貫主任講師、事務局の吉岡さん、有難うございました。
(猪鼻良子)
 
支点へのツーハーフ固定
ガルーダ」での1/3引き上げ法
 

■ロープワークの基本技術

@ロープ結束
Wフィッシャーマン(ロープ結束用):
Wエイト(ウエスト、ロープ端末):
ツーハーフ(固定用):
インクノット(確保、固定用):

A懸垂降下、引上げ法
ムンター(懸垂降下):
・1/3ガルーダ(引上げ法):

今後、繰り返し使用する技術なので、身につくまで練習して 下さい。
 

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